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カビをなくす生活習慣
梅雨入りをした関東地方、梅雨寒とはいえ今年は寒暖の差が激しく、体調管理が大変ですね。そして、湿気対策が重要な時期です。最近、テレビで「黒カビ、青カビの毒性物質がアルツハイマー型認知症のリスクになる事も分かってきた」と放送されていました。他にも肺アスペルギルス症や、アレルゲンの原因となったりします。少し潔癖するぎる現代なのでは?と思う事も有りますが、住宅事情や生活習慣が変わった近年、カビが身体に影響を及ぼす可能性があるとなると穏やかではいられませんね。
人間とカビの快適な条件は同じ!
カビは自然界の中にいて、人間の生活空間にも普段から漂っています。そして、「温度・水分・栄養」の3条件がそろった所に付着し、成長します。このカビの最適な温度と湿度は人間にとっても快適な条件なのです。特に、一年中温度や湿度を一定にできる気密性の高い住宅はカビにとっても快適な空間です。
カビの発育には湿度が最低でも70%~80%は必要です。一般的に室内の湿度は40%~60%が多く、浴室でも入浴後30分換気扇を回せば60%以下に下がってきます。なかなか70%以上の湿度の高い状態が持続する事はありません。ところが、「結露しやすい外壁」や「窓と接する部分」、「水滴が残りやすい水場」、「空気が停滞しやすい家具の裏」など、場所によってはその表面の一部の空間だけが湿度100%と、発育に最適な条件が揃っている場所があります。
温度は、家屋に多いカビには20度~30度が最適ですが、20度以下になっても0度近くまでは、ゆっくりと発育していきます。
人間が生活している空間には、ほこりや汚れ、人間の身体から落ちる髪や皮膚などのカビにとって栄養源になる物が沢山あります。
カビの発育は、
空気中の胞子が落ちる⇓
水分と栄養がある限り、菌糸体は伸び続ける⇓
胞子を作る前のカビのほとんどは小さかったり透明で見えない⇓
ある程度発育すると肉眼でも見え、つくる胞子の種類によって黒、青など色づいて見えるようになってくる。
上記のように、私達の眼に見えるようになる頃には、カビは胞子を飛ばす準備が出来ているんですね。
カビはいつから発育している?
空気中に漂っているカビが、発育し出すには、どのような環境、どのように発育していくかが分かりましたね。
このようなサイクルは数週間~数か月かかります。成長過程では、小さかったり透明だったりする為、眼に見えませんし、発見しにくいのが現状です。人が目視出来るようになるのは、かなり発育が進み、多くの場合で胞子を飛ばす準備が整い、その先端が黒や青などに色づいています。もうお分かりのように、発育にかなりの時間を要するカビは、梅雨時に発生するのではなく、春先から徐々に発育しているのです。
梅雨時に発見したカビはしっかりと根を張り、胞子をまき散らしているので、既に時遅しです・・・根を張ってしまったカビはしぶとく居座り、まき散らされた胞子は目視出来ず、取り除く為には全ての掃除が必要になります。これでは、終わりのないカビ退治になります。
現代の生活習慣と住宅
昔の木造建築では、隙間風邪が通り、室内の空気が循環していましたが、現代の住宅は、気密性が高く、密閉状態である場合が多いです。そして、朝の掃除の時には窓を開けるという習慣もありましたが、単身住まいの方や、共働きの多い現代では、夜に洗濯をし、室内で干したり、週末にまとめて掃除や洗濯をする家庭も多いでしょう。家中の窓を開けて換気を行うことができない時もあるかと思います。
また、現代ではアレルギーがある人も多いですね。花粉症の対策などで窓を閉め切り、洗濯物は室内で干し、ベット利用で布団を干さない人も増えました。空調を使用してコントロールしている方もいますが、部屋の空気を入れ替える事が難しいですね。
花粉を部屋にいれないように窓を閉め切っているとカビにとって快適空間を作っている事になります。中には、花粉のシーズンが終わっても症状が治まらず、おかしいなと思っていたら、カビアレルギーだったというような方もいたようです。
短時間でも良いので、窓を開け換気をすることが重要になってきます。
カビをためない生活習慣を身に着けましょう
カビを発生させない為には、「換気をして湿度を下げる」「掃除をしてカビの栄養源を取り除く」という事がポイントになってきます。
カビにとっての好条件がそろっている水回り、家具の裏などの空気が停滞しやすい場所を徹底的に掃除して、換気をします。浴室やキッチン、トイレの換気扇は使うときにしか回さないという家庭が少なくないようです。しかし、換気扇の消費電力はわずかなものですので、なるべく換気扇を動かして空気が循環するようにしましょう。
押し入れや下駄箱、クローゼット等の閉め切っている所も、湿気がたまりやすい場所です。定期的に開放して、空気の入れ替えをしましょう。空気の通りの悪い所なので、ただ開放するだけでなく、サーキュレーターや扇風機などで、風を送る事をおすすめします。特に、物が多く隙間もないような押入れは空気の通りが悪く、湿気がたまりカビの発生率が高くなりますので、不要な物は片付けてスッキリする事も大切です。
また、雨の日が多くなると、衣類やリネンのお洗濯物が溜まりますね。汗などの水分を含んだ衣類をそのまま洗濯カゴなどに入れておくと、カビの発生の原因になります。汗や水分を含んだ衣類などは、すぐに洗濯をするか乾くまで広げておきましょう。
特にバスローブやタオル等も、水分を含んだまま放置するのは良くありません。使用後はしばらく、風通しの良いところにかけておきましょう。
尚、洗濯機に着用後の衣類をいれるのはやめましょう。洗濯漕の中にカビが繁殖する原因となりますので、着用後の衣類は洗濯カゴなど別の入れ物にいれましょう。洗濯機使用後はしばらく蓋をあけて、洗濯漕を乾燥させましょう。また、洗濯機の洗濯漕は1か月に1度は洗浄するのが理想です。
窓まわりも重要です。結露した水分がたまりやすいので、こまめに拭き取りましょう。また、カーテンの裏側(窓にあたる側)に、カビが生えている事があります。ここも要注意です。
カビをみつけてしまったら
カビの除去にも方法があります。
スプレー式の薬剤が多くありますが、直接吹き付けるのはNGです。噴射の勢いでカビの胞子が部屋中に飛び散ってしまいます。薬剤はキッチンペーパーなどに吹き付けてカビの上からそっとかぶせるように貼り付けます。しばらく放置してカビを殺したら、拭き取ってゴミ袋にいれてしっかり密封します。いかにカビの胞子を飛ばさないように除去するかが大切になります。また、雑巾等を使いまわすのはやめましょう。菌を他のところへ移植することになってしまいますので、一度カビを拭き取ったら捨てましょう。
シリコーンパッキン等に生えてしまったカビは内部深くまで菌糸が伸びているので、拭き取るだけでは除去できませんので、交換するのがおススメです。また、布団やベットのマットレスも完全に取り除くのは困難ですので、買いかえる事をご検討下さい。
※カビ除去の際は、窓を開け、ゴム手袋やマスク、メガネで身体を守りましょう。お使いになる薬剤の使用上の注意を良く読んで使いましょう。
まとめ
まずは、カビのない暮らしを目指して、生活習慣を見直してみましょう。今年の梅雨は、合間に天気の良い日があったりしますので、そんな日を狙ってカビを一掃してしまいましょう。その後、換気をし水回りなどの湿気のたまりやすい所は日々掃除するといった習慣を身につけていきます。雨が降っている日でも雨が吹き込まない程度に窓を開けるといいそうです。以外かもしれませんが、外気の方が湿度が低い事もあるそうです。空気が循環して、気持ち良く感じるかもしれません。
上記のことを習慣づければ、カビが発生する事もなく、カビをこする労力もなくなります。梅雨時のじっめとした重い気分になりがちですが、湿気もゴミも溜めこまずに、快適な空間を作れば気持ちも爽やかに過ごせると思います。ぜひ、心掛けてみましょう。
他にもカビに関するコラムを書いていますので、是非、ご覧下さい。⇓⇓⇓
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