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地球と体に良い事
2026.03.27

春の装い、天然繊維で肌を守る。~ ウールと麻の下着という選択 ~

春の装い、天然繊維で肌を守る。~ ウールと麻の下着という選択 ~

季節の変わり目は、朝晩の冷え込みと日中の暖かさの差が大きく、体温調整が難しい時期です。そんな時こそ見直したいのが、肌に一番近い“下着”。素材選びひとつで、快適さは大きく変わります。本記事では、天然繊維の機能性に注目しながら、メリノウールと麻(リネン)の下着についてご紹介します。


昔の「ウール」のイメージ

かつてウールといえば、

・チクチクする
・厚手で重たい
・セーターの素材

そんな印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。特に下着にするなんて、とても考えられなかった時代もありました。しかし近年、紡績技術の進歩により極細繊維のメリノウールが一般化。驚くほど柔らかく、肌にやさしい風合いの下着が比較的、手の届きやすい価格で手に入るようになりました。

ヒツジがまとう、天然の機能

ウールの機能は、もともとヒツジの体を守るために備わったものです。ヒツジの毛は細かく縮れた繊維でできており、その構造が空気を含むことで、高い断熱効果を生み出します。

そのため、暑い時期でも毛に覆われた皮膚は意外と涼しく、冬はしっかりと寒さから身を守ることができます。
つまりウールは、もともと“温度を調整する力”を持った天然素材なのです。

飼育されているヒツジは、人の手で刈らない限り毛が伸び続けるため、夏前になると毛刈りが行われます。(原種であるムフロンなどは、換毛期に自然に毛が抜け落ちます。)

また、ヒツジの毛には「ラノリン」と呼ばれる天然の油分が含まれています。これは、ヒツジの皮膚と毛を守るために分泌される皮脂で、人の皮脂に近い性質を持っています。毛に少しベタつきを感じるのは、このラノリンによるものです。
羊毛を加工する過程でラノリンは取り除かれますが、副産物として回収され、現在では化粧品や軟膏などにも活用されています。

自然界でヒツジを守ってきたこの仕組みは、かたちを変えて私たちの暮らしや肌にも活かされているのです。ヒツジが生きていくために備えてきた力を、私たちはそっと分けてもらっているのかもしれません。

メリノウールの天然機能

ウールは、「暖かい素材」「冬の衣類」というイメージが強いですが、自然が生み出した“機能性繊維”とも言える存在です。

◉ 吸湿性・放湿性

ウールは、コットンの約2倍ともいわれる吸湿性を持ちます。
汗を素早く吸収し、さらに外へ放出。つまり、蒸れにくく、汗冷えを防ぎます。
春のような寒暖差のある季節にこそ頼れる素材です。

◉ 保温性と温度調整機能

繊維の中に空気を含む構造のため、断熱効果が高く、暖かさを保ちます。さらに、暑くなりすぎると熱を逃がす性質も。つまり、寒い時は暖かく、暑い時はこもらない。天然の温度調整機能を備えています。

◉ 抗菌・防臭効果

ウールに含まれる成分や繊維構造により、細菌の繁殖が抑えられやすいという特徴があります。汗をかいても臭いが残りにくく、長時間の着用や旅行にも適しています。化学加工ではなく、素材そのものが持つ力。これも天然繊維の大きな魅力です。以上の特長から、下着にとても適した素材である事がわかると思います。そして、現在では手の届きやすい価格で購入できるようになりました。

◉ 紫外線から肌を守る力

メリノウールの衣類は、他の繊維と比べて日光からの保護性能が高いことも特筆すべき点です。自然の力から羊を守るために、何百万年もかけて進化してきた天然繊維。その構造は紫外線を吸収し、肌を守る働きを持っています。そのためメリノウールはアウトドア活動にも適した素材。
夏場はもちろん、近年では冬場でも気になる紫外線から皮膚を守ります。現代の科学技術でも再現が難しい、まさにオールマイティーな天然素材なのです。

「春にウール?」と思われるかもしれませんが

実はメリノウールは、冬専用ではありません。

・冷えやすい朝晩
・外と室内の温度差
・汗冷えや紫外線対策

春は“意外と揺らぐ季節”。寒暖の差が激しく、日差しが強くなる日もあります。体温と肌環境を整える下着として、とても理にかなった素材なのです。

夏に向けて ― 麻というもうひとつの天然機能

ウールが「動物がまとう機能性」だとすれば、麻は「植物が備えた強さ」といえる素材です。リネンの原料であるフラックス(亜麻)は、寒暖差のある厳しい環境でもまっすぐに伸びる植物。農薬をほとんど必要とせず育つ、生命力の強い植物としても知られています。その繊維は中が空洞構造になっており、熱をこもらせず、風を通す性質を持っています。

麻の天然機能

この麻もチクチク、ザラザラとした肌触りで肌が敏感な方には、ウール同様に不快になってしまう代表素材ですが、同様に優れた機能性を持っています。

◉ 吸水・速乾性

麻は水分を素早く吸収し、そしてすぐに放出します。
汗ばむ季節でも肌に張りつきにくく、さらりとした着心地を保ちます。
湿度の高い日本の夏には理想的な素材です。

◉ 通気性と清涼感

繊維が硬く、肌との接地面が少ないため、空気が通りやすく涼しく感じます。
これが「麻は涼しい」と言われる理由です。

◉ 抗菌性

麻には天然の抗菌性があるとされ、雑菌の繁殖を抑える働きがあります。
汗をかきやすい夏の下着として理にかなった素材です。

なぜ麻の下着は高価なのか

近年、麻の下着は増えてきましたが、まだまだ価格は高めです。
その理由は、
・繊維が硬く、紡績が難しい
・糸にする工程が手間
・細番手にするには高度な技術が必要
といった背景があります。
麻は栽培や加工に手間がかかり、繊維を取り出す工程も複雑。柔らかく仕上げるには、時間と技術、そして丁寧な加工が欠かせません。つまり、麻の下着は素材そのものの価値と加工技術の結晶なのです。しかしその分、“夏を快適に過ごすための投資”として価値ある素材とも言えます。

麻にも種類があるのをご存知ですか?

・亜麻(あま)-リネン

・苧麻(ちょま)- ラミー

・大麻(たいま) – ヘンプ

肌触りが優しいのはリネン。ペクチンが含まれている為、滑らかで、肌に優しく下着に適しています。実際に触ってみることが必要かもしれません。

天然素材という選択

朝晩はまだ寒く、日中は日差しが強まり、少しずつ汗ばむ日も出てくる。
そんな季節の変わり目には、
・温度を調整してくれるメリノウール
・湿度を逃がす麻
どちらも頼れる存在です。

ウールも麻も、共通しているのは「天然の機能性」。
・吸う
・放つ
・守る
・整える

そしてどちらも、化学的に作られた機能ではなく、自然の中で何百万年もかけて育まれた仕組み。人の体に寄り添う働きを、自然のまま備えています。

肌に一番近いものだからこそ

外側を整える前に、まずは肌から。天然素材が持つ本来の力を借りることは、体を無理にコントロールするのではなく、“整える”という選択なのかもしれません。ウールと麻。季節をつなぐ二つの天然繊維を、暮らしの中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

これからのこと

私たちは、バスローブという肌に直接触れる製品をお届けしています。だからこそ、素材そのものが持つ力や、地球と体に負担の少ないものづくりについて、これからも丁寧に向き合っていきたいと考えています。メリノウールや麻のように、自然の中で育まれた機能をそのまま活かした素材。
~いつか、そんな天然繊維を使った下着をかたちにできたら~
まだ小さな想いではありますが、「地球と体に良いこと」をテーマにするブランドとして、そっと心に置いています。急がず、無理をせず、心地よさを大切にしながら。これからも、肌から整う暮らしをご提案してまいります。

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