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2019.11.22

フリースー綿100%の起毛素材-

フリースー綿100%の起毛素材-

サスティナブル(持続可能な)、サスティナビリティ(持続可能性)と言った言葉を聞くようになりましたね。古着を回収して、分別して、再生衣料品を研究開発したり、PETボトルを回収して衣料品にしたり、様々な方法で行われています。物を生産して販売するという事だけでなく、着れなくなった衣服、または着なくなった衣類を最後まで見届けようと、環境の事を考え、実行する世の中になってきました。さて、今回はそんな再生衣料のなかでも、「フリース」と言われている衣類について書いてみました。

フリースとは

フリース(Fleece)は、1979年に繊維業のMalden Mills 社によって開発された生地です。ポリエチレンテレフタレート(PET、ポリエステルの一部)が使われた、柔らかい起毛された繊維です。フリースで商用登録後、Polartec社としてアウトドア商品で有名なpatagonia(フリースのアイディアを提案しのがパタゴニアの創始者)を始め、スポーツウェアーのadidasやファッション界ではUNDERCOVERなどが取引をしています。また、軍事用にも使われ、機能性ともに品質の良いフリースを作っている会社です。

フリースは、保温性が高く軽く柔らかくて速乾性があります。静電気が起きやすい洗濯するとフェルトのように目が詰まって毛玉になりやすい火に弱いなどの注意点もあります。また、フリースを作っている会社によって質と値段に差があり、高品質の物は、繊維が落ちにくい、毛玉になりにくい、燃えにくい(難燃性フリース、素材にメタ系アラミド繊維が使われています)等の利点もあります。

フリースの語源は羊の毛です。本来、1頭の羊から毛を狩った時の一つながりの羊毛の事をfleece(フリース)と言います。合成繊維でなくとも、綿、ウール等全てを含めて、もこもこと起毛した素材名をフリースと言います。現代では「フリース」=「合成繊維で作られたプルオーバーなどの総称」のイメージが定着しています。1999年にブームになったユニクロの製品というイメージがとても印象に残っている方が多いのではないでしょうか。ですが、本来フリースは素材名であって商品名ではありません。

そこで、環境にも配慮した綿と羊毛で作られたフリースを「リアルフリース」と呼びます。合成繊維で作られて物とは触り心地等が違い、着てみると静電気が起きにくく、とても快適です。

再生衣料、フリース!

再生衣料は、主に二つの方法を良く耳にします。

・フリースの原材料はポリエチレンテレフタレートです。略してPET。ペットボトルと同じ原料ですので、ペットボトルを集めて分別・洗浄して様々な工程を経てフリースとして生まれ変わります。

・着古した衣類を集め、分別し、古着として売れる物は売り(日本向けと海外向けとに分けます)、ウェスと呼ばれる工業用の雑巾にし、ウェスに出来ない物は反毛(繊維の綿にして)にして、自動車の内装用や、軍手などになるそうです。

アパレル業界の中でも、アウトドア、スポーツ、ファッションそれぞれの分野で、再生衣料に目を向けています。土に帰らない素材を使用した物は、ゴミに出しても永遠と残るのです。ゴミにせずに、再利用すれば良いという事です。これには、多くの購入者も環境に優しいと考え、また販売者は付加価値を付ける事で販売しやすいという利点になります。

はるか昔、着物を何度も繕い、お下がりにして、最後には雑巾にして、本当にボロボロになるまで使っていたそうです。100円均一でなんでも揃い、ファストファッションが蔓延し、使い捨てが当たり前の現代では考えられないような時代でした。昨今、環境問題が多く取沙汰されるようになり、人々の関心も高まってきました。ゴミを出さない、物を捨てずに再利用に目を向ける事で少しづつでも変わっていくと良いですね。

再利用をしていても・・・

以前、マイクロプラスティックについてコラムを書きました。フリースなどは、洗濯の度に繊維が抜け落ち下水処理をすり抜けて、海へと流れていきます。これが、大きな問題となっています。再生衣料にしても、フリースなどの起毛素材や、ストッキング、ナイロンのショーツなどを洗濯をすると小さな繊維が下水から海へと流れてしまうのです。これらが、天然素材の物だと土に還ります。合成繊維は海中を漂い、蓄積し、海洋生物が食べてしまいます。そして、確かではありませんが、化繊のマイクロファイバーはやがて食物連鎖に侵入し、人体にも入り込むのではないかと言われています。

下水処理でのマイクロプラスチックを除去するには、下水二次処理水の膜処理が有望とされているそうで、除去率は99.99%だそうです。すごい除去率だと思いませんか!が、しかし1日あたり1億個流出していたとすると、そのうちの100万個流出していることになります。すると、完全ではないのですね。一度、流出してしまったマイクロプラスチックを回収する事は不可能です。いかに流出させないようにするのかが、重要になるので、合成繊維を使用した「再生、リサイクル」は、まだまだ課題があるようです。

まだ、人体への影響は明らかにはなっていませんが、海が汚染されているのは事実です。自然界になく、人間が作り出した物は廃棄する事まで考えて作り出さないといけないのかもしれませんね。

廃棄できないのなら、「環境を考えて作られる(土に帰る素材含め)オーガニック製品」となったのではないでしょうか。それらの製品は値段が高くなりますが、今後の地球の事を考えると高くはないのかもしれません。

まとめ

鼻にストローが詰まったウミガメ、それを取り除いているショッキングな映像を見た方も多いのではないでしょうか。プラスチック製ストローのみがクローズアップされ、紙のストローが開発されました。しかしこれは海洋汚染問題の一部でしかないのです。

弊社ではなるべく、天然素材を使用して製品を作っています。着心地が良い物を求めた結果ではありますが、地球と人に優しい物づくりを目指しています。

新商品、起毛素材(リアルフリース)のチュニックを、数量限定ではありますが、販売開始しました。

モコモコと暖かく、肌触りが良い、綿100%の素材です。静電気が起こりにくい素材ですが、静電気は着合わせの問題もありますので、こちらのコラムもご覧下さい。

コラム 静電気と衣類

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