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お手入れ
2024.09.11

藍染めは色移りする?藍染め蒸美人フェイスマスクの洗濯・お手入れ方法

藍染めは色移りする?藍染め蒸美人フェイスマスクの洗濯・お手入れ方法

藍染めって、「色落ち」や「色移り」の心配があって面倒だなと思うかもしれません。色移りの心配がないといわれる藍染め製品もありますが、本当に色移りしないのでしょうか?そんな疑問と共に当店の蒸美人藍染めフェイスマスクのお手入れ方法をお伝えします。

デニムも藍染めなんです

藍染めは、青色色素成分のインディゴを染料としています。遥か昔から植物から染料で布を染めていました。現代では、化学藍とよばれる天然藍の主軸になっている色素を合成した染料もあり、デニム生地の経糸たていとに使用されているそうです。
そんな身近なデニム、真新しいノンウォッシュのジーンズなどが、色移りした経験などありませんか?

色移りする藍染めと色移りしない藍染め

実は、全ての藍染めが色移り(移染いせん)してしまうわけではないのです。
全て天然の材料を用いることで、色移りすることはないと言われています。つまり、何を材料として、どんな染色方法で染めるかで、移染の程度が変わってくるそうです。

詳しくはこちらのコラムもどうぞ 
メリット沢山、蒸しタオルと藍染めの効果。肌荒れ・アトピーでお悩みの方へ朗報です!

そもそも天然染めは色移りするもの

藍染めや草木染め、これらは天然の植物などから染色した天然染めになります。天然染め自体が色落ちするものです。その中でも藍染めのすくもを使用した発酵染色は堅牢度けんろうどが高いといわれています。
(※堅牢度とは、染色された生地や印刷物などの色落ちや色移りに対する強さを表す数値の事です。)

色落ちの度合いは、色素の大きさによっても変わってきます。「還元力」の強い液、例えば「薬剤を使って還元した藍染液」ですと、同じインディゴでも色素の分子が細かくなり、染まりやすいですが、色落ちしやすく、分子が小さいため色移りもしやすくなります。

自然の発酵による還元力は、薬剤と比べて弱いため色素の分子が大きく、比較すると染まりにくいですが色落ちしにくく、色移りもしにくいという性質があります。

さらに詳しく分類すると、仕込んでから間もない新しい藍染液と、半年ほど使用している藍染液でも還元力に違いがあり、後者の方が還元力は弱い傾向にあります。

藍染め蒸美人フェイスマスクは、色止めも天然素材を使用しています!

今回、この商品に更なる美肌効果を期待できる何かができないかと考えた時に、天然素材にこだわるということが前提でした。皮膚の薄いデリケートな顔に使うものとして、お肌のケアをするのですから。
ですので、「天然灰汁発酵建て」で、もちろん色止めも天然素材を使っている工房に依頼しました。

色止めといえば、「お酢」が思い浮かぶと思います。一般的に「お酢」での処理が広く勧められているのですが(お酢は酸性であるため、繊維を中性にしてインディゴの変化を抑える効果があるからと考えられます。)、他に天然素材の色止めって何があるか、ご存知ですか?

実は、豆なんです!呉汁ごじる(大豆から取った汁)をお湯で割って使用しているそうです。
まず、藍染め蒸美人フェイスマスクの染色の流れをご覧下さい。

  1. 染色
  2. 水洗い
  3. お酢+水につけ置き(30分)
  4. 水に浸け置き(半日~1日)
  5. 乾燥
  6. お湯に浸ける(30分~1時間)
  7. 水洗い
  8. 乾燥
  9. お湯に浸ける(30分~1時間)
  10. 呉汁に浸ける(30分)
  11. 乾燥

上記のように、とても手間暇をかけた工程を経ています。最後の工程の色止めとして、呉汁を使用するのは、インディゴには「アルカリ性で変化しやすい」という性質があり、また、タンパク質は色素と結合しやすい性質があるからです。
呉汁はタンパク質を含む酸性寄りの液体です。タンパク質を繊維にまとわせることで、不安定な色素の定着を促し、酸性寄りの液体に浸すことでアルカリ性に傾いた繊維を中性にし、インディゴが変化しにくい状態にしています。

 ※インディゴは他の色素と比べてタンパク質との結合が非常に弱いですが、多少なりとも効果はあります。また、藍の色味はインディゴだけで形成されているわけではないので、他の微量な色素にも効果があるとの事です。

watanabe's藍染工房

当店の藍染め蒸美人フェイスマスクは、藍染の産地、徳島にあるwatanabe's藍染工房さんで染めを依頼しております。昔から、すくも(染料)をつくる職人「藍師」、染色をする「染師」分業で行われてきた藍染めですが、watanabe'sさんは、蓼藍を畑で育て、すくもを作り、染めるまで一貫して行っている工房です。
今回は染加工を依頼するにあたり、藍染めについてご教示頂きました!

藍染め蒸美人フェイスマスクで洗濯をしてみました!

工房によって使う材料や配合の方法など、違いがあるのだろうと思います。実際に数ある工房や販売元の藍染め製品を使用した事がないので、確実な事は言えません!
そこで、今回は当店の商品を使って実際に試してみました。※当店の商品での検証になりますので、藍染め全般について検証ではない事をご理解下さいませ。

当店の商品「藍染め蒸美人フェイスマスク」を下記の順番で実験(洗濯)してみました。

【1】新品の藍染め蒸美人フェイスマスクを水で洗うと、色がどれだけでるか?
【2】1の水に新品の白いタオル生地を入れて、色移りする?
【3】1の水に新品の白いタオル生地を入れて、色移りする?
【4】3を中性洗剤で洗ってみます。
【5】1で水に浸けた「藍染め蒸美人フェイスマスク」を洗剤で洗ってみる。
【6】青くなった水に白いタオル生地を入れて、色移りするか見てみましょう?

使用するもの

使用するのは、新品の藍染めした蒸美人フェイスマスク(染色し納品されてから約1か月程経過)、洗面器、水、中性洗剤です。

早速、始めていきます!

1】 新品の藍染めフェイスマスクを真水に浸けてみます。

水が黄色くなり、洗面器のフチが青くなっています。この水が黄色っぽいのは藍染特有の天然アク成分だそうで、洗濯を繰り返すうちにアクは抜けていきます。

2】では、1の水に新品の白いタオル生地を入れると、色移りしてしまうのでしょうか?
この黄色い水の中に蒸美人フェイスマスクと同じ生地のホワイトを入れてみます。

全体的に染まることはなく、絞った時の内側になる部分が少し青くなっていました。
また、洗面器のフチについた青い部分は水でこすっても落ちず、中性洗剤をつけスポンジでこすってみると落ちました。

3】2を水で洗って、青くなった部分が落ちるか?

水では落ちませんでしたが・・・

4】水で落ちなかったので、中性洗剤を使って洗ってみます。

ちょっと画像では、わかりずらいですが青いのは落ちていました!
色移りしたわけではなかったようです。

5】今度は、藍染め蒸美人フェイスマスクを中性洗剤で洗ってみます。

中性洗剤で洗うとあっという間に青くなりました!

6】最後に青くなった水に白いタオルを入れて、色移りするか見てみましょう。

中性洗剤により青くなって水に白いタオルを入れてみましたが、青く染まることはありませんでした。

結論

天然灰汁あく発酵建てで染められた、「藍染め蒸美人フェイスマスク」を洗濯しても、他の白いタオルに色移りすることはありませんでした。多少、色が付いたとしても洗浄力の強い洗剤を使用することで綺麗に落ちます。よって、他の衣類に色移りする心配はありませんが、洗濯の方法や衣類の素材によって違うかもしれないので、注意が必要ですね。

今回は化学染色の物との比較はしておりませんが、大前提として、一般的に流通している化学染色で化学的な色止め剤を使用したものと比較すれば、色落ちはするそうです。ですが、他の衣類に色が移り、移って落ちないという事は少ないのでは?と思いました。(実際に、白いタオルが青くなりましたが、中性洗剤で落ちましたので)

最初の洗濯時に茶黄色の色素(動画では黄色でした)が出る場合がありますが、これは藍染特有の天然アク成分で、洗濯を繰り返すうちにアクが抜けます。
また、中性洗剤を使用すると、水の色がより青くでましたが、これは洗剤の洗浄力の違いで、色落ちしやすいのは洗剤になります。ですが、「洗剤で洗濯してもいきなり色がなくなることはなく、他の洗濯物への色移りはしにくい」という見解です。
藍染めは繊維一本一本にコーティングしているような物で、色を纏っている状態です。よって、固着の弱い部分が洗うことで落ちていきます。しかし、固着の強い部分はしっかり維持しますので洗濯時の色落ちも回数毎に徐々に減っていくそうです。

※当店の商品では、色移りすることはありませんでした。くれぐれも全ての「天然灰汁発酵建て」藍染めは色移りしないという事ではないので、ご注意下さい。

一連の流れをまとめた動画はこちらから⇓⇓⇓⇓⇓⇓

藍染め蒸美人フェイスマスクのお手入れ方法

色移りの心配はないという結果になりましたが、
slouch&chicでは「念の為に最初の数回は単独での洗濯を推奨しております。

洗濯 手洗いまたは、洗濯機で洗う場合には洗濯ネットに入れて下さい。
洗剤 通常の洗濯洗剤でも特に問題はないですが、中性洗剤がお勧めです。
・干す 風通しの良い日陰で干しましょう。
保管 タンスの中など日の当たらない暗室に保管しましょう。

そして、下記の注意事項にお気をつけ下さい。

※長時間、光(特に直射日光)が当たり続けると退色の原因となります。
※アルカリ性になると色素が変化しやすくなるため、アルカリ性洗剤は使用しないでください。
※クリーニングや漂白は避けてください。

天然の藍染め製品で、「水洗いのみ」などと指定がある製品もあるようですが、天然の藍染だから洗濯が必要なくなるという事はないので、汚れたら洗濯をお勧めします。また、お顔に直接触れるものですので、匂いなどが気になる方は洗剤での洗濯をお勧めします。
どうしても洗剤を使用したくないという方もおられるかと思います。その場合は、使用しなくても問題ないかと思います。

スタッフが使用してみて

藍染め蒸美人フェイスマスクのご使用の際に、洗剤を使用するほどの汚れがつくことはないかと思います。多少ついたとしても皮脂汚れなどではないでしょうか。
朝、目覚めをよくするために1分足らずフェイスマスクを使用しています。時間がないので、フェイスマスク使用後に固く絞って部屋に干しています。そして、2~3回ほど使用して中性洗剤で手洗いをしています。部屋干ししていますが、生乾き臭などはでないので、藍の効能の消臭が効いているのかなと思います。

watabe'sの代表渡邊さんに効能について、お聞きすると

特に効能自体のエビデンスが無く、証明できるものはありません。しかし、色の波長は治癒の波長とのことで色が続く限りでているといわれています。

とのお答えがありました。また、蒸美人フェイスマスクは電子レンジの熱を加えて使用しますので、何度位まで問題なのかと質問したところ、

インディゴは286度あたりで溶解します。人肌温度に温める程度では問題ございません。

電子レンジを使用することは、問題ないようです。
実際使い始めて1か月程経ちますが、気持ちよく使用しています。

まとめ

いかがでしょうか?
今回は、「天然灰汁発酵建て」で染めた当店の商品「藍染め蒸美人フェイスマスク」で実験して、色移りは起こりませんでした。顔にのせて、顔が青くなる心配もありませんので、ご安心下さいませ。

いわゆる草木染という古来からある手間暇をかけた染色方法は、それぞれの草木が持つ効能などが期待できます。天然の素材を使った物の良さというのは、人にも地球にも優しく、その商品の価値は計り知れないのではないでしょうか。

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