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2019.12.24

温活!-懐炉(カイロ)編-

温活!-懐炉(カイロ)編-

冬になると大活躍のカイロ。今年は寒暖の差が激しく体調が思わしくない方も多いのではないでしょうか?猫のように温かい場所を見つけてじっとしてる事が出来れば良いですが、なかなかそうもいきませんね。そんな時には手軽に暖を取れる使い捨てカイロが便利です。急に冷えた日、冬の野外で過ごす時、冷え症の方にはとても重宝します。使い方も種類もたくさん有りますね。今回は昭和に生まれた大ヒット商品カイロについて書いてみました。

江戸の頃から

カイロの歴史は古く、温石に始まります。江戸時代頃、石を温めて布に包んで懐に入れ、体を温めていました。そしてもう一つ、塩、または塩と糠を混ぜたものを炒って布に包んだ塩温石という物も使われていたそうです。この当時はとても暖かく便利な物だったと思います。

明治時代には灰式カイロという木炭の粉末や灰を混ぜて練り固めたものに火をつけて、金属の容器に入れ、容器を布で覆って使っていました。これは、現代でも使われています。大正時代の末期には、ベンジンの気化したガスと白金の触媒作用を利用して燃焼させた、白金触媒式カイロが登場しました。戦争中も活躍していたそうです。

今のような使い捨てカイロの元となるのは、アメリカ軍が使用していたフットウォーマーを参考に旭化成が開発し、九州のみで「アッタカサン」というつま先部分にカイロをいれたスリッパを販売したことに始まります。サンダルではなく、スリッパですが、「アッタカサン」というネーミング。これが、ヒット商品となった後に一般家庭用に使い捨てカイロが販売されました。

カイロが発明されたのは、衣服の形状により風が通りやすく、首元、手元から風邪が入りやすい着物を着ていたからだと言われています。体が冷えるのを少しでも防ごうと温石を懐に入れていました。懐に入れて温めるカイロ懐炉と書き、日本生まれです。時代と共に簡単に持ち歩けて体を温める為の工夫、研究開発されてきました。

使い捨てカイロの登場で、需要が減り店頭からは灰式カイロが少なくなっているようですが、愛好家の方も多く、登山用品として見つけられる場合もあるようです。しかし、日本では使い捨てカイロがメジャー商品となっています。

使い捨てカイロの仕組み

使い捨てカイロは、貼り付けるタイプや、靴下用、じんわりと暖かくなるものなど、マスクにカイロがついている物まであり、多種多様です。また、とても安価で使い勝手が良い物ですが、どのようにして暖かくなるのかご存じでしょうか?

カイロが暖かくなる仕組みは、鉄が急速に錆びる時にでる酸化熱を利用しています。カイロの袋の中には鉄の粉が入っています。この鉄の粉が空気に触れると化学反応をおこし、熱を発生させるのです。鉄の粉に空気が触れるだけだと、温まるのが遅いので、鉄の他に、塩水を含ませた木の粉や、活性炭、バーミキュライト(保水材)が入っています。これらは、鉄の粉が酸化するのを速める働きをします。内袋は空気の通る量を調節し、熱くなりすぎないように調節しています。外袋に1つづ梱包されており、袋から出すと温まります。

初期の頃のカイロは、振ったり揉んだりしていたのはご存知ですか?以前は鉄分が片寄っていたので振ったり揉んだりする必要がありましたが、現在のカイロは改良の結果、振ったり揉んだりしなくても暖かくなります!

「早く暖かくする」のと「温度調節」には、沢山の工夫があったのですね。元々、医療用に開発されていた商品が、開発までの道のり、改善、手軽に使える価格にすると言ったことを経て、身近になった商品です。現在では海外でも販売されています。そして、体を温める為だけではなく、リラックス効果を得る為に温度設定を低くし、蒸気とともにアロマの香りを出し、肌に直接付けて良い商品など、幅を広げた商品開発が行われています。

カイロで温めると健康維持につながる?

体は冷えると熱を逃がさないように血管を収縮し、血行を悪くさせます。体の熱を逃がさないようにする為です。血行が悪くなると、その部位に酸素や栄養分が届きにくくなって、老廃物が排除されにくくなります。冷え症の方等は、常に手先足先に栄養分が届きにくくなってしまいます。そこで、不調を和らげ、健康を維持する手助けをするカイロはとても便利です。

主に冷えからくる不調、肩こり、腹痛、腰痛などの血の滞りから起こる不調はカイロで温めましょう。

全身を温めたいときには、首の後ろ、肩甲骨の上辺り(首を前に曲げたときに骨が出るところ)「大椎」というツボがあり、全身を温めるツボです。もう一点、おへそより指2本分下にある「気海」というツボ。ここも全身を温め、コンディションが安定して、元気に過ごせるツボです。

肩から背中にかけてガチガチに固まってしまい、コリを感じるときには、背中、肩甲骨の間を温めましょう。寒さを感じるときにも効果的に温められる場所です。

冷えによる不調を感じる方は、腰やお尻に貼りましょう。おへその真裏(背中側)にカイロを貼ると腰全体が温まります。もう一点はです。太い血管のあるくるぶし周辺を温めると、全身も温まり、内くるぶしの後ろ、アキレス腱との間のくぼみに「太谿」という冷えに効くツボがあります。

体温が低くいと不調につながるともいわれています。いろいろツボの場所を覚えるのは大変!と思いますが、そんなときは太い血管の通ってるところをカイロをあて温めましょう。全身に温かい血液が巡ることで、体温を上げることが期待できます。

使い方に注意!

カイロの使用目的は、様々あると思いますが、主に「レジャー」(93.1%)や「外出」(77.4%)と、冬に野外で過ごす時の利用が多いようですね。ですが、「痛みの緩和」「疲労回復」「リラックス」などの利用も多いのではないでしょうか?お腹が冷えてしまう方、腰痛緩和などにも大活躍です。暖かくなる温度も違い、注意して使わないと低温火傷を起こしてしまいます。

肌に直接触れていたり、同じ個所にずっとつけるのは危険です。直接肌に貼るタイプのカイロも有りますが、それは温度が40度以上にならない為に直接肌に貼っても大丈夫なのだそうです。通常のタイプのカイロは、下着の内側(肌に当たる方)に貼るのではなく、外側です。直接、肌にあたる場所に貼ってしまったり、薄い肌着の上から貼ったばあいには、低温火傷になる可能性があるのでご注意下さい。使用法の注意を守って使いましょう。

まとめ

冬はこたつにみかん!で、猫のように暖かいところを探してじっとしていたいものですが、安価で便利なカイロがあれば寒さに縮こまらずに過ごせます。冬休みは野外アクティビティや、年末の大掃除、大みそかの野外イベント、初詣にと、寒さを吹き飛ばして楽しみましょう。

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