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バスローブについて
2018.08.17

今治タオルの産地を訪ねて【やすらぎシリーズの生地が出来るまで】

今治タオルの産地を訪ねて【やすらぎシリーズの生地が出来るまで】

今治市への出張へ行った5月末、湿気の多い曇り空の静かな朝を港の方へ歩いていると、舟の形をした港湾ビル「みなと交流センター・はーばりー」が見えてきます。切符売り場や、カフェ、ラウンジ等があり、展望デッキがあるので、港が一望できます。晴れていたらきっと綺麗な景色だったのだろうな~と思いつつも、写真を撮りました。しまなみ海道が開通してから、フェリーを利用する人は減ったそうですが、その朝にはフェリーを待っている沢山の人を見ました。遠足に行くかのように楽しそうにしているご婦人方が多く賑わっていました。フェリーや船が行き交うのを見ているとあっという間に時間がすぎてしまいます。港の風景を満喫して、当店の一部の製品の生地を生産して下さっている楠橋紋織株式会社と、染工所の越智源株式会社の2社を見学に向かいました。

楠橋紋織株式会社の歴史

当店のオリジナルバスローブ「やすらぎシリーズ」は楠橋紋織株式会社から買付けをしています。今治駅から車で30分ほど行くと大きな建物が見えてきます。立派な門から中に入ると、素敵な中庭があります。正面の建物の後ろと右側に工場があり、広大な敷地で、清掃が行き届いている建物には味わいがあって、歴史を感じました。

こちらの会社はとても歴史が古く、1925年(大正15年)に創始者の楠橋俊夫さんが16歳で宇和島織物検査所に勤務したことから始まったそうです。創業記念日7月7日七夕伝説にちなんで、シンボルマークをダブルスターとしてタオル産業を開始しました。1931(昭和6)年に父と兄と共に「楠橋三郎治工場」を創設し、大阪への販路開拓、今治で初めてとなるジャガード織物の導入、国内発となる刺繍織装置・ランペット織機を発明するなど順調なスタートでしたが、戦争の影響で生産を中止したり、俊夫さんが召集されたりと順風満帆ではなかったそうです。

そんな中、兄の秀雄さんが24台の織機を守り、終戦後1946(昭和21)年8月に事業を再開しました。外貨を必要としていた日本、秀雄さんは貿易体制を整え、東南アジアやオーストラリアへ輸出を始めました。1949(昭和24)年には今治のタオル産業は全国のタオル輸出産業の80%を占め、その地域の牽引する立場にあった楠橋紋織は、昭和天皇陛下の行幸を仰ぐ事となりました。

天皇陛下が行幸された記念碑です。

その後の楠橋紋織株式会社は、いつも業界の先陣を切って、タオルづくりの研究、新しい織機の導入など事業の充実を図っていきます。また、社員の職場環境の整備を行ってきました。

タオルをつくる製作工程を見学するのは初めてです。物が作られていく様子を見るのはワクワクとします、そしてどんな方達が働いているのか・・・

このダブルスターのシンボルマーク付きの帽子をかぶって見学開始です!

やすらぎシリーズの生地が出来るまで

【糸の準備】

入荷された糸は染工場の越智源株式会社にて、先晒しをします。先晒しとは、繊維が持っている油脂やロウ、ペクチン質などを落とし、同時に付着している不純物や汚れも取り除く事です。織機にて織りやすくする為にでんぷん質で出来ている糊を付けます。糸が入荷した時にはキツく巻かれている糸を「チーズ」にまき直します。(「チーズ」は、穴の開いたボビンです。)これは中に液体がしみ込みやすくするように工夫されたボビンです。なぜチーズというのか?と不思議に思い質問してみると、「ボビンに糸を巻いた姿がチーズに似ている」というシンプルな答えでした。

そして、この巻く作業をしている場では綿くずがたまらないように風で綿くずを飛ばしています。

この先晒しをする事によって、糸の縮が無くなり、織りあがった生地が収縮する事を防げます。

【糸を撚る】

越智源株式会社にて、先更しを終えると楠橋紋織株式会社で、撚糸機によって糸を撚る作業に入ります。糸は撚る事によって強度が増します。強度が増すと硬くなるのですが、ここは今治タオルの技で、柔らかく肌触りの良いタオルを作る為に撚りを工夫しています。やすらぎシリーズの生地では、下糸を双糸に撚る為の工程です。

【整経】

タオルのタテ糸を揃える作業です。パイル糸と下糸を必要な本数と長さで太鼓と呼ばれる木管に巻き付けます。この太鼓に巻きつけられた糸は織機用のビームに巻き返され整経が完了です。糸が切れていないか、よれていないか、ほこりなどがないか、注意深く確認しながら、手触りでテンションを確認しながら何千本もの糸を巻いていきます。タオルの品質を左右する整経では、太さや種類の違う糸を同じテンションで巻き取る技術が求められる職人が成せる技です。

【織機にて織る】

ビームを織機につなぎ、パイルになる糸と下糸のテンションを整え、ヨコ糸を絡ませながら通していきます。この織機では、ヨコ糸が空気で送られます。1秒に10本のヨコ糸が送られるので、3パイル出来るスピードです。弊社の生地幅は145cmですので、1秒間に14.5Mの距離を移動するのです。これだけのスピードで生地が織られるとは、機械の技術の進歩は素晴らしいです。人が1本1本手作業で作られる生地にしかない良さというのがありますが、正確に早く織る=品質を保ちながらも量産する事によって、だれもが手に入れやすい価格となっていきます。

【糊抜き・染色⇒乾燥】

織りあがった生地は、再度、染工所の越智源株式会社に運び、糊抜き・6色の染色し、乾燥する作業をします。糊がついていた糸で織った生地は、ハリがあって硬いのですが、この糊を落とすと今治タオルのやわらかさになっています。この現場には、ミシンがあります。反物の長さはそれぞれですが、乾燥させる為にはつながっていた方が効率が良くなるそうで、現場の方がその場でミシンを踏んでつなげていきます。立ったままミシンを踏むのですが、とても手早くあっという間につなげていました。染色の原料・色の決め方等のサンプルが沢山ある部屋も見せて頂きました。

5月末に訪れましたこちらの現場は、とても熱く、みなさん半袖で作業をしていました。夏になるともっと熱くなると聞きましたので、今年の猛暑の中では大変な作業になっていると思います。

【加工】

乾燥が終わった生地は、加工屋さんにて、起毛加工されます。

まとめ

この後、弊社に納品され、山形工場にて縫製の工程に入ります。縫製についても詳しく書きたいと思います。

いかがでしたか?初めてタオルの生産に関する工場見学をさせて頂きました。越智源株式会社の代表の越智さんには、沢山の事を教えて頂きました。染色に使っている原料についてや、チーズという名の道具の名前の由来等、いろいろお話しして頂き、あっという間に時間が過ぎていってしまいました。楠橋紋織株式会社では、最新の織機の速さと、タオルの両脇を一度に縫えるミシン(上写真※両脇に針があり間にタオルを設置して縫います)に驚きました。このミシンを使えるのは、やはりベテランの技術の高い方だそうです。

駆け足での見学でしたが、物が作りあげられていく工程を知るのはとても勉強になりました。

ご協力頂きました楠橋紋織株式会社の皆様、越智源株式会社の皆様、本当にありがとうございました。

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