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2017.08.07

夏の風物詩「ゆかた」とバスローブの共通点???

夏の風物詩「ゆかた」とバスローブの共通点???

近年、真夏日になる日が5月に記録されるなど、早くから“夏の空気”を感じるようになってきました。
暑い日に、涼しげな浴衣姿を見かけると、「夏が来たなぁ」と感じませんか?昔は、縁側で風鈴の音を聞きながら、浴衣姿で夕涼みをする――そんな夏の風景がありました。
最近では住宅事情や生活スタイルの変化もあり、「涼をとる」という言葉を耳にする機会も減ったように感じます。
そんな中でふと、「浴衣を着て涼む時間」と、「お風呂上がりにバスローブを羽織ってくつろぐ時間」は、どこか似ているのでは?と思い、浴衣の歴史を調べてみました。

湯帷子ゆかたびらとは?

浴衣の始まりは、平安時代に公家が沐浴もくよくの時に人に肌を見せない様に着ていたのが、麻でつくられた湯帷子でした。その前身と推察されるのが、飛鳥時代~奈良時代に使われていた「湯帳ゆちょう」です。

また、仏教では入浴は「病を避け、福をもたらす」とあり「仏説温室洗浴衆僧経ぶっせつうんしつせんよくしゅそうきょう」という経典に7つの道具が記されています。そのうちの一つが「内衣ないえ」で、仏教の戒めから僧尼そうにが肌を接しないように身に付けました。

平安時代の蒸し風呂では、
・蒸気によるやけど防止
・汗取り
・裸を隠す
といった目的で、湯帷子が使われていました。

湯帷子は麻で作られており、水切れが良く丈夫な素材だったそうです。

現在のような“綿の浴衣”が広まるまでには、少し時間がかかりました。

綿は799年(平安時代前期)にインド人によってもたらされましたが、当時は栽培が定着せず、明や朝鮮から輸入される高級品でした。

その後、綿の栽培が安定すると、江戸時代には急速に普及していきます。

木綿問屋ができ、藍染めや肥料など関連産業も発達し、綿製品が徐々に身近なものになっていきました。

呼び方も時代によって変化し、平安時代以降は「明衣」「内衣」「浴衣」「湯帷」など様々な表記があり、「ゆかたびら」と読まれていました。

そして江戸時代前期頃から、「ゆかた」という呼び方が一般的になったそうです。

時代の移り変わりと共に

湯帷子は時代の流れと共に変化して行きました。

平安末期から鎌倉初期には、入浴時のベトつき感(まとわりつく感じ)を嫌い湯帷子の代わりに男性は褌(ふんどし)、女性は腰巻を着用するようになります。室町末期には武家が湯上りの「身拭みぬぐい」として用い、江戸の寛永期には、妓楼の遊女や客が湯上りに白麻の浴衣を着て涼んでいたそうです。

その後、綿と風呂屋が普及すると、銭湯の2階に休憩できる部屋が設けられ、浴衣姿でゆっくり涼んでから着替えて帰宅する文化が広がっていきました。このように浴衣は、入浴後の汗取りとして着られるようになり、今でいう「バスローブ」のような存在として広く用いられるようになりました。

また、浴衣は湯上がり着だけではなく、さまざまな場面で活用されていました。

例えば、
・合羽代わり(雨の日や旅衣として)
・盆踊り
・年中行事(水祝い)
・仕事着(肉体労働者)
・歌舞伎衣装
・下着
・日常着(寝間着)
・外出着

など、用途は多岐にわたっていました。

ただし、それぞれ「着ても良い場面」のルールがあり、例えば外出着としては、夕涼みや舟遊びなどが一般的だったそうです。

また、当時は女性が昼間に浴衣姿で外出することは、あまり好ましくないと考えられていました。

現代では

洋装が主流になった現代の日本では、浴衣を含め、着物を日常着として着る人は少なくなりました。

ですが近年では、浴衣の絵柄や素材の種類が増え、価格も手頃になったことで、子供から大人まで、夏のファッションの一部として気軽に楽しめるようになっています。

夏祭りや花火大会など、夏のイベントへ出かける際の装いとして定着し、街中でも浴衣姿を見かける機会が増えました。

また、温泉宿では浴衣が常備されており、好みの色柄を選べるサービスを用意しているところもあります。

温泉から上がった後は、浴衣姿のままくつろいだり、夕涼みに出かけたり、そのまま夕食を楽しんだりと、宿を出るまでゆったり過ごすことができます。

浴衣は、リラックスするための衣としても最適ですね。

さらに、外国人にはガウンやバスローブのような感覚で人気があり、日本らしいお土産として選ばれることも多いようです。

現代の浴衣の着こなしルール

浴衣の着方や着こなし方は、時代によって少しずつ変化しています。

ネットで調べてみると、さまざまな意見があり、「どれが正しいの?」と迷ってしまうこともありますよね。

浴衣で外出して良い季節や時間帯など、昔ながらのルールも多くありますが、一方で「浴衣は洋服でいうTシャツやデニムのような感覚で、もっとカジュアルに楽しんで良い」という呉服屋さんのコラムやブログも見かけます。

ですので、TPOに合わせて、生地や色柄を選ぶことが大切なのかもしれません。

そして、浴衣の着方で意外とややこしいのが、「右前に着る」という言葉です。

女性は「洋服とは反対」と覚える方も多いかもしれませんが、最近ではユニセックスの洋服も増え、そもそもどちらが前なのか分かりづらく感じることもありますよね。

実は、この【右前・左前】という言葉が、混乱の原因になりやすいようです。

和装でいう「前」とは、「先に」という意味で使われています。

つまり、「右前」=「右側を先に体に巻き付ける」という意味になります。

ここで大切なのは、「右前」=「右が上」ではないということです。

右側を先に体へ添わせるため、重ねた時には右側が下になります。

つまり、自分の肌に触れる側が「右側の身ごろ」と考えると分かりやすいでしょう。

着る時は、

  1. 自分の右手側を先に体へ添わせる
  2. 左手側を後から上に重ねる

という順番になります。

向かい合った相手から見ると、「右側が上」に見える状態ですね。

また、右手で懐に手を入れられる状態になっていれば正解です。

これは男女共通で、どちらも「右前」で着用します。

反対に着てしまうと「死装束」となってしまうため、注意が必要です。

バスローブの着こなし

バスローブも、浴衣と同じように「右前?左前?」と迷う方がいらっしゃるのではないでしょうか。バスローブは基本的には洋服と同じ考え方で、写真のように着用します。ただし、着物や浴衣のように厳格な決まりがあるわけではないため、着やすい方、お好きな方で着ていただいて問題ありません。

※当店では男女兼用のユニセックス仕様で販売しているため、撮影時には男性モデルを左前で着用している場合があります。

まとめ

浴衣は、綿とお風呂文化の普及とともに広まり、湯上がり着としてだけでなく、寝間着や仕事着、外出着など、さまざまな場面で親しまれてきました。

しかし、第二次世界大戦後の生活様式の変化によって洋服文化が浸透し、普段着として浴衣を着る機会は少なくなっていきます。

その一方で、浴衣は“夏を楽しむ衣”として形を変え、現在では夏祭りや花火大会、温泉旅行などで親しまれる存在になりました。

また、昔の「湯上がりに浴衣で涼む文化」は、現代ではバスローブやリラックスウェアへと受け継がれているのかもしれません。

時代とともに、浴衣の役割や着こなしは変化してきましたが、日本の夏を感じる文化として、これからも長く楽しまれていくと素敵ですね。

※本記事は2026年5月28日に内容を編集・追記しました。

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